肩・腕
肩・腕

肩・腕の痛みは、筋肉のこりだけでなく、関節・腱・神経などさまざまな組織が関係していることがあります。また、首の神経の障害が肩や腕の痛みとしてあらわれることもあります。
そのため、痛みの場所だけで判断するのではなく、痛みの性質や動かしたときの変化、しびれの範囲などから原因を見極めることが大切です。
当院では、診察によって痛みの原因を評価したうえで、必要に応じて神経ブロック注射やハイドロリリース、均整術、レーザー治療、薬物療法などを組み合わせた治療をご提案します。
「四十肩」「五十肩」と呼ばれる肩の痛みは、医学的には「肩関節周囲炎」などの診断名で扱われます。肩関節周囲炎の炎症や滑液包の変化などによって、肩の痛みと動かしにくさが生じることがあります。明確な外傷のきっかけがなく、ある日突然、あるいは徐々に肩の痛みと動かしにくさが現れることが特徴です。
とくに、痛いだけではなく、肩そのものが固まって動かしにくい状態になった場合には、「凍結肩」と呼ばれる病態が考えられます。凍結肩では、髪を洗う、服を着る、背中に手を回す、洗濯物を干すといった日常動作が難しくなることがあります。また、夜間に肩がズキズキと痛み、睡眠が妨げられることもあります。
四十肩・五十肩は、経過によって症状が変化することが特徴です。一般的には、痛みが強い「炎症期」、痛みが徐々に落ち着く一方で肩が固まって動かしにくくなる「拘縮期」、そして少しずつ動きが回復していく「回復期」という経過をたどり、それぞれの時期によって適切な対応も異なります。特に急性期には、夜間に肩がズキズキと痛んで眠れない「夜間痛」を訴える方が多く、寝返りの際に激痛が走ることもあります。腕を上げる、後ろに回すといった動作が制限され、洗髪や着替えなど日常生活の動作に支障をきたすことも少なくありません。
自然に治ることもありますが、痛みが強い場合や長時間動かしにくい場合には、適切な疼痛管理やリハビリテーションを行うことで、日常生活への影響を軽減できる場合があります。
頸椎症性神経根症は、加齢や姿勢の影響による頸椎(首の骨)の変化によって椎間孔から出る神経根が圧迫されることで生じます。首の痛みだけでなく、肩から腕、前腕、手指にかけて、特定の神経の走行に沿ったしびれ・放散痛・脱力感・違和感が現れることが特徴です。
どの神経根が障害されているかによって、しびれや痛みの分布パターンが異なります。首を後ろに反らせたり、痛む側に傾けたりすると症状が悪化することが多く、逆に首を引っ張るようなストレッチで症状が和らぐこともあります。
神経の圧迫が強い場合には、握力低下や、特定の指の感覚低下などがみられることがあり、手術を考慮する場合、専門医療機関への紹介が必要となる可能性があります。
腕や手のしびれが続いている場合には、単なる肩こりと考えず、首の神経が関係していないかを評価することが重要です。
胸郭出口症候群は、首から腕に向かう神経や血管が首や胸にかけての通り道で圧迫・刺激されることによって、肩や腕の痛み、しびれ、だるさなどが生じる症候群です。
なで肩の方や、姿勢が悪く肩が前に巻き込んでいる方(巻き肩)、筋肉質で首まわりの筋肉が発達している方などにみられることがあります。腕を上げる動作や、重い荷物を持つ動作で症状が悪化しやすく、腕全体のだるさ・しびれ・冷感などを伴うこともあります。
同様の症状は頸椎の神経障害や血管の病気などでも起こるため、症状の原因を見極めることが重要です。
筋筋膜性疼痛症候群では、筋肉や筋膜の緊張などに関連して、肩や腕、肩甲骨周辺などに痛みが生じます。痛みのある場所だけでなく、筋肉の状態によっては離れた場所に痛みが広がって感じられることもあります。
デスクワークやスマートフォンの長時間使用、反復する作業、長時間同じ姿勢を続けることなどが症状のきっかけや悪化要因となる場合があります。
肩関節を支える腱板(ローテーターカフ)が、加齢や繰り返しの負荷によって損傷することがあります。
また腱板周辺にカルシウムが沈着する石灰沈着性腱炎では、突然激しい肩の痛みが生じることがあります。とくに発作初期は炎症が強く腕を少し動かすだけでも激しい痛みを感じたり、夜間に強い痛みで眠れなくなったりすることがあります。
強い痛みがある場合には、まず痛みを適切にコントロールしながら、肩の状態に応じた治療を行うことが大切です。
肩・腕の痛みは、ひとつの原因だけでなく、姿勢の崩れ・筋力低下・繰り返しの動作・仕事やスポーツによる負荷・加齢による組織の変性など、複数の要因が重なって生じることがあります。デスクワークやスマートフォンの使用などで長時間同じ姿勢を続けることや、利き手側に負担が集中すること、カバンを片側だけで持つ習慣なども、肩や腕への負担につながることがあります。
当院では、痛みの部位だけでなく、日常生活や仕事での身体の使い方なども確認しながら、症状に応じた治療をご提案します。
超音波で肩周囲の状態を確認しながら、生理食塩水などを注入することで痛みの緩和および肩関節回りの動きを滑らかにすることが期待できます。当院では肩の動きの状態を確認したうえで、筋膜の緊張や癒着が関与していると考えられる場合にはこのハイドロリリースをご提案することがあります。超音波で状態を確認しながら施術を行い、筋膜周囲の滑走性を改善させることで、痛みの軽減だけでなく施術直後から肩の動きが大きく改善するケースもあります。
※関節包の拡張を目的として肩関節に注入する関節内注射(ハイドレーション)は当院では行っていません。
星状神経節ブロックは、首にある交感神経の集った部分(星状神経節)に注射により局所麻酔薬を注入して、交感神経が関係する痛みの神経に作用させ、血流を変化させることで症状の緩和が期待できます。肩・腕の痛みに対して適応となる場合があります。副作用として、一時的に片方の手が動きにくくなったり、片側の瞼が重くなったりすることがあります。
頸椎の神経根が痛みの原因となっている場合には、神経根ブロックによって神経周囲の炎症や痛みを抑え、症状の緩和を図ることがあります。神経根ブロックが適しているかどうかは、症状や診察所見、必要に応じて画像検査などを踏まえて判断します。当院の頸椎神経根ブロックは超音波(エコー)を用いて標的となる神経根および周囲の血管などを視認しながら、安全に行っています。
筋肉や筋膜の緊張が痛みの一因となっている場合には、痛みの原因となっている筋肉などに局所麻酔薬を注射するトリガーポイント注射を行うことがあります。
肩こりや筋筋膜性疼痛などに対して、痛みを一時的に和らげ、身体を動かしやすくすることを目的として行います。
肩・腕の痛みは、姿勢や肩甲骨、背中などの身体の使い方が関係していることがあります。当院では、院長自らが均整術を行い、肩だけを診るのではなく身体全体のバランスや動きを確認しながら、症状の緩和や身体の使い方の改善をサポートします。
痛みの種類に応じて、鎮痛薬を調整します。神経の痛みが強い場合や、日常生活に支障がある場合には、神経ブロックやその他の治療と組み合わせながら、痛みをコントロールしていきます。
「四十肩・五十肩だから仕方ない」「関節が固まっているから、動くまで待つしかない」と思っていませんか?
四十肩・五十肩は自然に改善することもありますが、痛みが長期間続いたり、肩の動かしにくさが残ったりすることもあります。「痛みで眠れない」「腕が上がらず、着替えや洗髪がつらい」「痛みが強く、リハビリすることが難しい」このような場合は、適切に痛みをコントロールすることで、日常生活やリハビリテーションを行いやすくできる場合があります。
当院では、肩関節だけでなく、肩の動きに関わる筋肉や筋膜にも注目しています。超音波で筋膜や筋肉の状態を確認し、筋膜の緊張や滑走障害が痛みに関与していると考えられる場合には、ハイドロリリースによる治療をご提案しています。
個人差がありますが、数ヶ月から1年以上かけて徐々に改善することもあります。痛みの強い時期、肩を動かしにくい時期など、経過によって対応が異なります。痛みが強い場合には、痛みの治療により日常生活への負担を軽減できる可能性があります。
診療内容を確認したうえで、並行して治療を行える場合があります。神経ブロックなどによって痛みをコントロールすることで、リハビリが行いやすくなることもあります。現在受けている治療内容がわかるものをお持ちください。
腕や手のしびれには頸椎の神経障害、末梢神経の障害、肩や腕の疾患などさまざまな原因があります。まず診察で原因を評価し、必要に応じて画像検査などを行う医療機関をご案内します。神経根が痛みの原因と考えられる場合には神経ブロックが治療の選択肢となることがあります。
※本ページは一般的な医療情報の提供を目的としており、個々の症状については必ず医師にご相談ください。
「四十肩・五十肩が数週間〜数ヶ月続いている方」「夜間痛で睡眠が妨げられている方」「整形外科での治療やリハビリを続けても改善が乏しい方」「デスクワークによる慢性的な肩・腕の重だるさがある方」「肩の痛みが強く、日常生活に支障が出ている方」このような方は、痛みの原因を別の角度から評価することで、治療の選択肢が広がる場合があります。
痛みの場所だけでなく、神経・筋肉・筋膜・関節などを総合的に評価し、お一人ひとりに合った治療をご提案します。
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